会長挨拶

第30回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
会長 杉山 保幸
(岐阜市民病院 副院長)

2017年11月30日(木)、12月1日(金)の2日間、岐阜市柳ケ瀬にありますホテルグランヴェール岐山において第30回日本バイオセラピィ学会学術集会総会を開催させていただきます。歴史と伝統のある本会をお世話させていただきますことは大変光栄であり、山口佳之理事長ならびに本学会関係各位に厚く御礼申し上げます。

本学術集会はがんの生物学的研究や治療を行う医学・薬学・生物学などあらゆる領域の研究者や臨床医が集まって情報を交換し、議論を繰り返しながらがんの克服に寄与する場であります。第1回は、私が米国のロズウエルパーク記念研究所(Roswell Park Memorial Institute:RPMI)での留学を終えて帰国して間もない1988年11月に大阪で開催されました。当時は『JBRM学会』という名称でしたが、帰国後の“学会デビュー戦”として、肺癌細胞の表面にある特異抗原に対する抗体にラジオアイソトープを結合させたもので癌を駆逐する治療戦略の基礎実験結果を発表しました。最近のトピックスである『免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法』とは作用機序が異なりますが、抗体を用いた特異的がん免疫療法である点では軌を一にしたものであります。当時はマウス抗体による臨床応用が検討されましたが、“Dream comes true”には至りませんでした。しかし、その後キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト型抗体が順次開発され、実地臨床での安全性も確認されて再び脚光を浴びるようになったことには感慨無量の心境です。

何はともあれ、私を育てていただきました本学会の第30回の記念すべき学術集会です。免疫チェックポイント阻害剤の実地臨床での台頭により、がんに対する免疫応答がヒトの生体内で起こっていることは実証されましたが、“がん治療薬として有効”であるのは約20%と推計されています。がん微小環境の調節やバイオマーカーの開発、種々のがん治療法を組み合わせた複合療法としての展開など、創意工夫を凝らして次世代のバイオセラピィを樹立してゆくのが私達の世代に課せられた使命であると考え、『次世代バイオセラピィの創意工夫』というテーマを設定させていただきました。実り多い学術集会にするためにも、是非多くの皆様が演題をご応募いただき、ご参集くださいますようお願い申し上げます。

岐阜では1996年に佐治重豊岐阜大学名誉教授が長良川国際会議場で第8回日本BRM学会学術集会総会を開催されましたので、22年ぶりということになります。岐阜市は日本のほぼ“真ん中”にあり、戦国武将の織田信長が天下平定を目ざし、楽市楽座を開き、清流長良川の鵜飼の保護を行うなど、現在の岐阜市の礎を築きました。今年は信長公が岐阜に入城し、岐阜と命名してから450年を迎え、『岐阜市信長公450プロジェクト』と銘打って数多くのイベントが企画されています。市街中心部を流れる長良川のほとりの温泉で古い街並みを散策し、おいしい地酒をたしなみ、鮎や飛騨牛、薬膳などのグルメを満喫していただきますよう謹んでご案内申し上げますとともに、皆様のご来岐を心よりお待ちいたしております。